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基礎から学ぶ会社設立について

経営メンバーにうまく転身することができれば、人生は大きく広がってくる。
そのまま経営メンバーとして大成するのもかまわないし、起業家になれる可能性だってあるのだ。 経営のプロフェッショナルが、いまや猛烈に求められている時代である。
いまやベンチャー業界では当たり前になっている。 H社長のように、大企業から人材を求めようとする動きは、どんどん加速しつつあるようだ。
これからは経営メンバーが、ビジネスマンの新たな選択肢として当たり前になっていく可能性があるといえるだろう。 大企業には、自分では気づいていないかも知れないが、豊かな才能を持ったビジネスマンたちがゴロゴロ存在している。
たぶん、あなたもそのひとりなのではないか。 この本では、・経嘗メンバーがいったいどのような存在で、どのような価値を企業にもたらすのか・経営メンバーとして期待されている人材はどのような資質の人たちなのか・そして実際にベンチャー企業に経営メンバーとして転職するためには、具体的にはどのような方法があるのかを、詳細に説明していきたい。
この本が、あなたの人生の転機となり、「勝ち組」として生き残れるきっかけになることを、祈っている。 成功している企業というのは、いったいどのような企業だろうか。
読者のみなさんは、「成功している企業」と聞くと、どのような会社名を思い浮かべるだろうか。 たとえば、収益力が圧倒的に高く、業界でナンバーワンと考えられている企業。
代表的な存在としては、T自動車のような会社がそうだろう。 収益力だけでなく、成長力や技術開発力も業界で抜きんでており、二OO三年にはアメリカのフォード・モーターを抜き去って、世界販売台数でGM(ゼネラルモーターズ)に次ぐ世界二位にまで達した。

世界市場でナンバーワンになるのも時間の問題、という声さえある。 収益も圧倒的で、最終利益は一兆円を越えている。
このT自動車を「成功した会社」と呼ぶのに異論のある人はいないだろう。 あるいは、テレビのニュースや新聞記事、雑誌記事などにひんぱんに登場し、世間の注目を集めている会社。
たとえば二OO五年のシーズンからプロ野球に参入したRなどがそうだ。 Rはインタ−ネット業界では決してトップではなく、売上で言えば業界一位のヤフーにはまだ追いついていない。
だが果敢にM&A(企業の合併・買収)を仕掛けたり、プロ野球に新規参入するなどして、その勢いのある取り組みは常に大きな注目を集めている。 こうしたRのような会社も、成功した会社と言えるだろう。
また経営者が有名で、マスコミにひんぱんに登場して会社の成功ぶりをアピールしている会社もある。 日産自動車はその驚異的なV字回復ぶりもさることながら、仏ルノーからやってきたC社長の存在がなければ、これほどまでに注目を集めることはなかったかもしれない。
日産のリパイパルプランの成功ぶりは、「ゴ−ン革命」とまで呼ばれるようになった。 たぶんみなさんがイメージする「成功している企業」というのは、以上のようなイメージではないだろうか。
確かにどの企業も着実な成功を収めているように見えるし、私にも異論はない。 でもこうしたイメージというのは、実は「成功した企業」を外見から見ているのにすぎない。
いま勢いがあって、テレビにしょっちゅう登場しているからと言って、それが必ずしも将来へと続く、水続的な成功を約束しているわけではないのだ。 たとえばかりに、こんな企業を考えてみてほしい。
業界ナンバーワンで、収益力は高い。 マスコミにもよく取り上げられ、経済紙で社名を見る機会も多い。

社長もテレビのインタビューなどに数多く登場し、自社の成功ぶりをアピールしている。 でもこの会社の内情をよく見てみたら、実は社長が数億円もの高い報酬を得ていて、その一方で社員が平均年収三百万円台に甘んじていたらどうだろう。
社員が貧乏生活を強いられているのに、社長だけがただひとりきらびやかな豪邸に住んでいたとしたらどうだろう。 もしそんな極端な会社があったとして、果たしてそれは「成功している企業」と言えるのだろうか。
中には「社員なんていくらでも代わりはいる。 人材は使い捨てればいい」と考えている経営者もいるかもしれない。
たしかに短期的に見れば、そうやって社員の給料を減らして固定費を抑えることは、利益率に貢献するのかもしれない。 でも私は、そうは思わない。
そうやって人材を使い捨てにするような会社は、けっして「成功する企業」ではない。 いまは一時的に成功しているように見えても、将来的には必ず失敗するのは間違いない。
私は過去、起業家雑誌「アントレ」の編集長として三千人以上の経営者と会い、彼らのビジネスを見てきたが、人材をおろそかにして永続的な成功を得ることができた会社は、ひとつもなかったと断言できる。 では、本当の意味での「成功している企業」とは、どんな企業なのだろう。
外見で成功しているように見えるだけでなく、将来も成功し続けることを約束されている企業というのは、どんな会社なのだろうか。 私の考えている「成功している企業」というのは、二つの大きな特徴を持っている。

まず第一に、採用力。 これは要するに、多くの人たちが就職したいと思うような人を惹きつける能力があることだ。
つまり優秀な人材を集める能力を持っている企業ということになる。 そうした採用力の高い会社には、「あの会社で一度働いてみたい」と思わせるような魅力がある。
第二に、人材力。 豊富な人材がそろい、そうした人材が会社を支えていること。
社長ひとりの能力ではなく、多くの人材によって会社が成り立っていること。 ひとりひとりの人材がそれぞれの能力を最大限に発揮して新事業を興し、それらが成功し、そうした成功の積み上げによって会社の業績へとつながっていく。
人材力のある会社というのは、そんなイメージである。 採用力も人材力も、実は新しい言葉である。
これまで企業の成功を測る時に、そうしたファクターが考慮に入れられることはあまりなかったからだ。 だが世の中は、そうした人材マネジメント中心の考え方へと、ドラスティックに変わりつつある。
私は一九九六年、独立と起業を支援する雑誌『アントレ』をRで立ち上げ、その後八年間にわたって三千人以上の企業経営者と会ってきた。 雑誌で主に取り上げるのは、その時々の成功している企業の経営者となる。
それらの企業はいすれも光り輝いていて、素晴らしいビジネスモデルと素晴らしい業績を誇っていた。 だがこの八年間を振り返ってみると、実はそうした企業が永続的に「成功し続ける」というのは、非常に難しいということに気づかされる。

八年前に「成功した企業」として取り上げた会社が、八年後のいまも成功し続けているというケ−スは、悲しいことにきわめて少ない。 八年前に素晴らしい業績を上げていた会社が、八年後のいまはすっかり赤字に転落していたり、あるいはそこまで行かなくとも、業績アップの見込みのない低空飛行を続けたままだったりする。
さらにたいへんなケースもある。 たとえば私が『アントレ』を起こした一九九六年、S氏の率いる株式会社Hは超優良企業で、時代の寵児と呼ばれていた。
同社は「HITSHOP」という路面店舗を全国展開した携帯電話販売が当たりに当たり、業績は急成長していた。

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